「石油・武器・麻薬:中東紛争の正体」の本

Kabは、この本を最近読みました。
著者は1955年山梨県生まれの宮田律さん。慶応義塾大学文学部史学科卒業のみならず、事実・真実を求めて取材を欠かさないので、内容はとてもわかりやすく、実証してくれています。その根底にあるのは「武力で平和はつくれない」との著者の哲学です。
Kabは慶応義塾大学工学部応用科学科を卒業後ロックフェラー資本のエクソンに入社後、アメリカのエクソンの研究所での研修後は、エクソン・モービルの石油支配戦略と向き合って「是々非々」を貫いてきたから、この本を食いいるように読みました。特に、現在の中東とISのことをよく理解させてくれました。その一部を紹介します。

イラク戦争の結果ISが生まれた

「以上見てきたように、軍事予算はアメリカの軍産複合体を潤しているが、その反面米国の財政赤字を膨らませており、必ずしも国民全体の利益となっているとは言い難い。アメリカの『対テロ戦争』の舞台となったイラク、アフガニスタン、イエメンでの戦いで、アメリカは数兆ドルにもおよぶ赤字をつくったと推定されている。ノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・スティグリッツはイラク戦争では3兆~5兆ドル(360兆~600兆円)に軍事費が最終的には使われることになると見積もっている。要するに、イラク戦争では米国民の福利とは全く無縁の莫大な予算がかけられたことになる。

「イラク戦争はブッシュ大統領の主張とは異なり、世界を安全にするどころか、世界的規模でテロを増殖させ、中東イスラム世界を破局的状態に追い込んでしまった。サダム・フセイン政権の『大量破壊兵器保有』という事実とは異なる根拠をもとに始められた『対テロ戦争』は、実はブッシュ政権に影響力をおよぼしていた軍産複合体や石油産業など経済界の利益追求が動機となって始められた戦争だといっても過言ではない。」
そのサダム・フセイン亡きあとのイラクの奥地はISが支配しています。

ガサでは子供たちの3分の1がPTSDに

そして、かつて2000年前は、パレスチナは肥沃な土地であり、パレスチナ人とユダヤ人が共存していました。しかし今、パレスチナの人々はユダヤ人国家のイスラエルによって、故郷を追い出され、あるいは封じ込められています。
著者は言う。「2014年7月から8月にかけて、イスラエルによる攻撃を受けたパレスチナ自治区のガザでは、その後も経済封鎖が続き、2015年5月に出された世界銀行の報告書によれば、失業率は43パーセントと世界で最も高い水準にある。特に深刻なのは若者の失業率で、その割合は60パーセントにも上るという。
また、2007年以来続くイスラエルのガザ封鎖によて、、GDPは半減した。2014年のガザ攻撃で果物や野菜などの輸出産業は事実上壊滅し、製造業は60パーセントまで落ち込んだ。電力、水資源、下水道などのライフラインの整備も十分ではなく、80パーセントの住民が生活扶助に頼り、40パーセントの人々が貧困ラインよりも下の生活を強いられている。
ガザでは、180万人の人々が360平方キロメートルという狭い土地で暮らし、イスラエルの許可がないとガザの外に出ることも許されない。2014年のガザ攻撃以来、子供たちの3分の1がPTSDの発症に苦しんでいるという。
復興の行方はイスラエルによる経済封鎖がどのように緩和されていくか、国際社会が今後どれほどの関心をガザに向け、復興のための支援をいかに行うかなどにかかっている。

平和のために!!

中東に、難民問題もない殺戮もない、侵略・迫害もない、すべての民族が共存共栄できる日はいつに来るのであろうか。70才になったKabは平和をつくるには、私はどのように生きるのか、を日々考えています。